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学術研究

日本で流通するハーブの品質基準の設定に
向けての研究:第一報
−ジャーマンカモミール乾燥花・ペパーミント乾燥葉の精油含有量の検証−

(1東邦大・薬、2グリーンフラスコ研究所)
○村上 志緒1,2, 林 真一郎2,小池 一男1


【目的】近年欧米の先進国を中心に、さまざまな代替療法を西洋医学と統合し、個々の患者に適する統合的なケアを提供する統合医療としての取り組みが始まり、日本においても盛んになってきた。ハーブ製剤を活用する植物療法は、代表的な代替療法として統合医療においても重要な役割を担っているが、その原料であるハーブは、多くが医薬品以外のものとして流通していることもあり、適正な品質基準が設定されていないのが現状である。私たちは,植物療法の主原料であるハーブについて、有効性を考慮した適正な品質基準の設定を目標に、まずはEuropean Pharmacopeia(欧州薬局方)などの公定書によって医薬品としての品質基準が設けられているハーブを対象に実情の検証を進めている。今回は、日本で流通しているハーブのうち、European Pharmacopeiaに精油含有量の品質基準を有するハーブとして収載されているジャーマンカモミール乾燥花とペパーミント乾燥葉を対象にその精油含有量を検証した。

【方法】日本で流通しているジャーマンカモミールMatricaria chamomilla(キク科)の乾燥した花部50g、ペパーミント Mentha piperita(シソ科)の乾燥・切断した葉部50g(共にグリーンフラスコ株式会社製)を試料として、『日本薬局方第十四改正』に収載されている一般試験法(28. 生薬試験法)に基づいて水蒸気蒸留を実施し、精油を抽出して定量を行い、European Pharmacopeiaでの品質基準と比較した。

【結果】2種のハーブを試料として上記の方法で水蒸気蒸留を実施し、精油含有量の定量を行った。その結果、試料としたジャーマンカモミールは青色の精油を0.48%含有し、European Pharmacopeiaで推奨されている「青色を呈した精油を4ml/kg(0.4%)以上含むもの」であることが確認された。ペパーミントは精油を1.82%含有し、同様にEuropean Pharmacopeiaで推奨されている「切断した葉に、精油を9ml/kg(0.9%)以上含むもの」であることが確認された。

【考察】試料とした2種のハーブの精油含有量がEuropean Pharmacopeia の基準を満たしていることを確認した。今後、日本薬局方に生薬として収載されているものについての検証を行い、植物療法としての有効性を考慮したハーブの品質基準の設定へとつなげていきたい。また、生育環境や収穫の時期、製造・流通経路の違いなど、ハーブの品質に大きく影響することが考えられる要件についての検討も併せて行い、基準の設定のための一助としたい。

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