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グリーンフラスコ北海道モミ精油の研究でわかったこと
〜抗不安作用の検証とヘッドスペース法でのGC-MSによる成分分析〜

 

 これまで日本薬学会第129年会でのいくつかの発表内容について紹介したが、同学会では、グリーンフラスコと東邦大学との共同研究の成果についても発表した。ここではトドマツ精油(グリーンフラスコ北海道モミ精油のこと、以下北海道モミ精油と言う)の作用と成分の研究について東邦大学薬学部生薬学教室の松浦氏が発表した内容を紹介する。
 複数の試験を併せ、詳細で信頼性のある評価を行うことをテストバッテリーという。今回は抗不安作用に関してマウスの行動変化によって評価することを目的とした3つのテストバッテリー(明暗箱試験、オープンフィールド試験、高架式十字迷路試験)によって、北海道モミ精油を吸入することによる行動変化を調べた結果と、北海道モミ精油の主要成分単独吸入による抗不安作用を同様のテストバッテリーで調べた結果、そして精油を揮発させてその気相をGC-MS(ガスクロマトグラフィー)で分析するヘッドスペース法で成分分析した結果について発表した。内容は以下のとおり。

1) 北海道モミ精油の吸入により、3つの行動実験によるテストバッテリーで、抗不安作用が認められた。
2) 北海道モミ精油の主要成分のうち、特に(-)-α-ピネンは抗不安作用の要因であることが示唆された。
3) 芳香浴のように、ヘッドスペース法によって精油成分を揮発させ、GC-MSでその成分を分析した場合、通常のインジェクション法(ヘキサンに精油を溶解したものを試料とする)によって検出される精油成分がすべて揮発しているのではないことがわかった。
4) 35℃と60℃での揮発成分を比較すると成分の種類や割合はほぼ変わらないことがわかった。

 1)2)の北海道モミ精油が抗不安作用を持つことに加えて、3)4)の成分分析では、アロマテラピーの活用法と、それにより享受できる精油成分について、一考すべき結果を得た。室温やディフューザーに近い35℃と、アロマポットなどでの芳香浴に近い60℃での揮発成分がほぼ同じであることは興味深い。

5/1/2009 Text by Shio Murakami

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