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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.4
「ラベンダーのエッセンシャルオイルはマウスの葛藤行動に関して抗不安薬と同様の作用を示す」

  発行:2000年8月31日 グリーンフラスコ株式会社
Text by Shio Murakami(グリーンフラスコ研究所)

 

 ローズ、イランイラン、カモミール、オレンジのエッセンシャルオイルのマウス葛藤行動に及ぼす影響について、ローズが抗不安薬と同様に作用することをこれまでに確認している。本研究では更にいくつかのエッセンシャルオイルをオリーブ油で希釈してマウス腹膜内に注入、ゲラー型葛藤行動テストを評価方法として用いることにより、エッセンシャルオイルが葛藤行動に関して抗不安薬同様の作用を有するか否かを検討した。ジュニパー、サイプレス、ゼラニウムとジャスミンのエッセンシャルオイルは葛藤行動に対して影響は及ぼさなかった。ラベンダーのエッセンシャルオイルは、濃度依存的にベンゾジアゼピン様抗不安薬ジアゼパムと同様の作用を示した。これらの結果から、ローズだけでなくラベンダーの精油も抗不安薬と同様の作用を持つことが示唆された。

【解説】
 本研究で採用しているゲラー型葛藤行動テストは、空腹のマウスが餌を得ようとする行動をモデルとして、その発現頻度によって不安や絶望の度合いを推量するというものであり、葛藤ストレスによって誘起される不安などの症状に作用する薬(抗不安薬)の評価に用いられている方法のひとつです。空腹状態のマウスはレバーを押すことにより餌を得ることができるよう工夫されています。警告期にはレバーを押したマウスに20回に1回警告刺激が付与されるため、マウスは餌を得たいが刺激を受けるのはいやだ、でも今回は安全かも知れないという葛藤と戦うこととなり、大きなストレスを受けることとなります。一方、安全期には警告刺激を与えられずに、餌を得ることができます。この警告期と安全期を繰り返すことを一定期間経験すると、マウスは安全期にはレバーを頻繁に押し警告期にはあまり押さなくなってきます。この状況において、エッセンシャルオイル、または抗不安薬を注入し、それぞれの作用を検討しています。ラベンダーを注入すると、マウスは警告期にレバーを押す頻度が増大したことを確認しています。これは葛藤の中、諦め、もしくは妥協の境地にあるマウスが、ラベンダーにより、希望を達成するために前向きに立ち上がったということなのかも知れません。ジアゼパムは、神経伝達系において、GABAA受容体サブユニットに結合しGABA(γ-アミノ酪酸)の親和性を増大して塩素イオン透過性を増加、これにより神経細胞は過分極状態となり神経細胞膜の興奮性は抑制されて抗不安薬として作用すると考えられています。本研究ではこれと同様の機構をローズ、ラベンダーのエッセンシャルオイルが有する可能性が示唆されています。

【参考】詳細は以下の論文をご参考ください。
Umezu T. (2000) Behavioral Effects of Plant-Derived Essential Oils in the
Geller Type Conflict Test in Mice, Jpn. J. Pharmacol. 83:150-153

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