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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.5
「ジャーマンカモミールの成分アピゲニンのもつ鎮静作用は
GABA
A受容体-ベンゾジアゼピン相互作用に関与するのではない」

  発行:2000年9月30日 グリーンフラスコ株式会社
Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所)

 

 ジャーマンカモミールの乾燥した花部は抗炎症作用とともに鎮痙作用、鎮静作用があるとされ、伝統療法として広く使われている。本研究では、ジャーマンカモミールのメタノール抽出物成分のうちフラボノイドのひとつであるアピゲニンは、培養したラット小脳顆粒細胞において、GABAの活性化によるCl-の細胞内流入を濃度依存的に抑制、更にアピゲニンを注入したラットにおいて運動行動が抑制されたことが確認された。これらの結果からアピゲニンは不安の緩衝というよりは鎮静作用を持つことが示唆される。この鎮静作用はベンゾジアゼピン遮断薬を用いても阻害されなかったため、アピゲニンの示す鎮静作用は、GABAA受容体とベンゾジアゼピンの相互作用とは異なる神経伝達系が関与することが示唆される。

アピゲニン

【解説】アピゲニンは、ジャーマンカモミールなどのような白色や黄色の花の花弁に含まれるフラボノイドの一種です。本研究では薬理作用をもつことが期待されるアピゲニンを単離し、その作用特性について検討しています。神経伝達物質のひとつであるGABA(γ-アミノ酪酸)は一般に抑制的な機能を有すると考えられています。GABAの作用特性を担っているのは他の神経伝達物質と同様にシナプス後細胞に存在する受容体です。この受容体の活性化によりCl-のシナプス後細胞への流入が増加して過分極を引き起こし、神経の興奮を抑制するとされています。GABA受容体はGTP結合タンパク質と共益して働くものと受容体自身がチャネルとして情報を伝達するものとに大別され、本研究では、後者のGABAA受容体に注目しています。この受容体は、構成するサブユニットの組合せにより多様性を示すタンパク質であり、必須サブニットの組合せによりベンゾジアゼピン受容体の機能が発現して抑制機能の増強効果が認められるとされています。ベンゾジアゼピン様物質は抗不安薬として広く使われています。ジャーマンカモミールについてはどの成分が鎮静作用に関与しているかについて、現在多くの研究がされています。本研究では、ジャーマンカモミールの鎮静作用は、GABAA受容体とベンゾジアゼピンの相互作用によるものではなく他の神経伝達物質の関与していることを示唆しています。

【参考】詳細は以下の論文をご参考ください。
Rossella A. et al. (2000) Pharmacological Profile of Apigenin, a Flavonoid Isolated from Matricaria chamomilla. Biochem Pharmcol 59:1387-1394

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