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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.13
「ティートリーのエッセンシャルオイルを含むハイドロジェルは火傷を冷却して治癒を促進する」

  発行:2001年5月31日 グリーンフラスコ株式会社
Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所)

 

 Melaleuca Alternifolia Hydrogel (Levtrade International(Pty) Ltd. , 以下、「ハイドロジェル」という)は、ティートリーのエッセンシャルオイル、乳化剤、96%の水分を成分とし、火傷の応急処置のために適用する外用剤である。このハイドロジェルの塗布、及び水道水での処置による患部の冷却及び治癒効果の検証を行った。熱湯により部分的に深い火傷を負ったブタをモデルとして、ハイドロジェルと水道水の効果を比較検討した。10匹のブタの背中に各々4つの円形(直径1cm)の火傷患部を作った。4つの患部のうち1つを何の処置も施さない対照とし、残りの3つの患部は、負傷後すぐに摂氏15度の水道水で冷却するか、ハイドロジェル(摂氏19度)を即座に塗布するか、30分後に塗布するかのいずれかの処置が施された。いずれの処置も開始後1時間続けられ、すべての患部において、負傷前、負傷時、そして負傷後2分毎に1〜1.5時間、皮膚内部の温度が測定された。処置開始1時間後の皮膚温度を負傷前と比較すると、水道水、直後にハイドロジェルを塗布、30分後にハイドロジェルを塗布した患部において冷却の効果がみられた*。

*負傷前と処置1時間後の皮膚内部温度の変化(度)
対照  +0.44
水道水 -7.82
ハイドロジェル(直後塗布) -3.87
ハイドロジェル(30分塗布) -2.67

 更に21日後に、治癒段階を把握するために患部の組織生検、患部面積、皮膚の顆粒組織の状態、感染、体毛の成長、焼痂(かさぶた)、上皮再生などが観察された。ハイドロジェル、及び水道水で処置した患部で、対照と比べて迅速な治癒が観察されたことから、これらの処置による冷却で皮膚損傷が抑えられて治癒が促進されることが示唆された。また、水道水で処置した患部において僅かにブドウ状球菌が観察されたが、ハイドロジェルを塗布した患部は無菌状態であった。

【解説】
 ティートリー(Melaleuca alternifolia フトモモ科)は、オーストラリア原産の植物で、先住民であるアボリジニーの人々が、傷や火傷、皮膚疾患の治療のために、葉を材料に湿布剤を作って患部を覆う方法で古くから用いてきました。テルピネン-4-オール、1,8-シネオールなどを成分として優れた抗菌作用、抗ウィルス作用を備え、爽やかな香りをもつティートリーのエッセンシシャルオイルは、アロマテラピーでも多くの場面で活躍します。
一方、火傷患部の冷却処置も、何世紀もの間、痛みの緩和や細胞の壊死の回避のために経験的に用いられてきました。現在でも、寒冷療法(Cryotherapy)は、火傷後の高体温を冷まし、酸素代謝やアシドーシスを抑制、感染や組織の壊死などを抑えるとされ、火傷の治療として採用されており、水道水による冷却は火傷の応急処置として推奨されています。
本論文は、火傷治療に用いられる2つの処置の効果を客観的に捉え、より効率の良い治療に繋げることを目的としています。ティートリーハイドロジェルの冷却作用については水分の含有を理由の一つとして考察していますが、更に検討を要します。冷却作用に抗菌作用が付加されるティートリーハイドロジェルの塗布は優れた治療法であると思われます。

【参考】詳細は以下の論文をご参考ください。
Jandera V. et al. (2000) Cooling the burn wound: evaluation of different modalites, Burns 26: 275-270

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