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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.15
「更年期障害の症状改善に用いられるいくつかのハーブのアルコール抽出物についてエストロゲン様活性を検証した」

  発行:2001年8月3日 グリーンフラスコ株式会社
Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所)

 

 更年期障害の症状を改善するためによく用いられるいくつかのハーブを対象に、それらのもつエストロゲン様活性に関する評価を試みた。レッドクローバー、チェストベリー、ホップのメタノール抽出物はエストロゲン受容体α(ER-α)とβ(ER-β)に顕著に結合した。子宮ガン培養細胞を用いて検討したところ、レッドクローバーとホップはアルカリフォスファターゼを指標としたエストロゲン様活性とプロゲステロン受容体-mRNAのアップレギュレーション(不足すると増加するように調整する)を示した。チェストベリーはプロゲステロンの発現を促すがアルカリフォスファターゼ活性に作用することはなかった。乳ガン培養細胞での検討では、レッドクローバーやホップ、チェストベリーによるもうひとつのエストロゲン誘発遺伝子であるプレセナリン‐2(pS2)のアップレギュレーションが観察された。コリアンジンセンやアメリカンジンセンの抽出物は、乳ガン細胞においてpS2-mRNAの発現を促進することが示唆されたが、エストロゲン受容体への結合、アルカリフォスファターゼ活性、プロゲステロン発現ついては子宮ガン培養細胞において確認されなかった。アンジェリカやリコリスは弱いエストロゲン結合やプロゲステロン発現、pS2-mRNA発現を示した。また、レッドクローバーのもつ4つのイソフラボンのなかで、ゲニステインが最も効果的であることがわかった。これらの結果は、更年期障害の症状改善によく用いられるいくつかのハーブを効果的に用いる参考になると思われる。

【解説】
 女性ホルモンであるエストロゲンに作用するといわれているハーブは古くからいくつか用いられています。本論文ではその中からレッドクロ−バー、チェストベリー、ホップ、コリアンジンセン、アメリカンジンセン、トウキ、リコリス、ブラックコホシュの8種類の植物を選んで、それらのエストロゲン作用について検証しています。エストロゲン作用を示す植物の成分のうちこの作用の起因と考えられる一連の成分のことをフィトエストロゲンと呼び、上記のレッドクローバーや大豆に含まれるイソフラボンは代表的なものです。生体内ではエストロゲンは細胞内のエストロゲン受容体に結合することにより機能が発現します。フィトエストロゲンも同様に受容体に結合することによりホルモン作用を示すと考えられています。
 女性の生理周期はエストロゲンとプロゲステロンの両ホルモンレベルによって調製されていますが、卵巣のはたらきが衰えはじめてから閉経の頃の更年期には、両ホルモンレベルが低下しています。低下したホルモンレベルを調節するために脳下垂体前葉からFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体形成ホルモン)が分泌されますが、卵巣がその刺激に対応しきれないことなどからホルモンバランスが乱れ、更年期障害の諸症状が現れると考えられています。フィトエストロゲンは、更年期のエストロゲンを穏やかに補うことにより、ホルモンレベル変動を小さくしてバランスを調整して症状を緩和すると考えられています。

【参考】詳細は以下の論文をご参考ください。
Liu J. et al. (2001) Evaluation of estrogenic activity of plant extracts for the potential treatment of menopausal symptoms.. J Agric Food Chem 49(5):2472-2479

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