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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.16
「腸溶性のペパーミント油カプセルは小児の過敏性腸症候群の症状を改善する」

  発行:2001年9月30日 グリーンフラスコ株式会社
Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所)

 

 過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome: IBS)の症状改善についてのペパーミント油の効果を二重盲検法によって検証した。IBSと診断された42名の小児(8〜17歳)をランダムに2群に分けて、一方はペパーミント油の腸溶性カプセル(ペパーミント群)、もう一方はプラシーボのカプセル(プラシーボ群)を2週間服用した。pH依存性で腸溶性コーティングが施されたペパーミント油カプセル(ColperminTM, Tilliots Pharma, スイス)は1カプセルに付き0.1ml(187mg)のペパーミント油を含んでいる。45kg以上の小児は2カプセルを、30〜45kgの小児は1カプセルを、両者とも一日三回服用した。2週間の服用において初日終了時と最終日終了時に各々検査が行われた。検査には、胃腸障害重度チェックと同様に、胸やけ、吐き気、むかつき、下痢など15項目の胃腸症状チェック尺度(Gastrointestinal Symptom Rating Scale:GSRS)が用いられて、服用前後での変化が検討された。その結果、19%に改善がみられたプラシーボ群と比較してペパーミント群では76%に改善がみられ、更に毎日の記録により痛みの低減も確認され、IBSに対するペパーミント油の効用が確認された。

【解説】
 主成分としてメントールやメントンを含み爽やかな香りを放つペパーミント(Menta piperita シソ科 西洋ハッカ)は、心身をリフレッシュして、吐き気や頭痛の抑制、食べ過ぎたときの消化促進、腸のガスを抜いて状態を整える(駆風・整腸作用)などに用いられています。中国から日本に伝えられたとされる、同じ仲間のハッカは、生薬の薄荷葉としてペパーミントと同様の目的で古くから使われてきました。IBSは大腸を中心とした消化管運動機能に障害をきたす疾患で、腹痛、腹部膨満感などの腹部不定愁訴、下痢、便秘などの便通異常を主訴とします。IBS の病因としては、ストレスや不規則な食事などの様々な因子が関与していると考えられており、症状を改善するためには生活の質を改善することが大きなポイントとなっています。本論文で報告されているpH依存性で腸溶性コーティングが施されたペパーミント油カプセルは、酸性の胃ではカプセル内のペパーミント油が放出されず、ほぼ中性の小腸・大腸に到達して初めて徐放される仕組みとなっており、腸での駆風・整腸作用をより効果的に働かせる工夫がされています。日常生活の中で食後にペパーミントのハーブティーを服用することにより同様の効果が期待できます。
【参考】詳細は以下の論文をご参考ください。
Kline RM. et al. (2001) Enteric-coated, pH-dependent peppermint oil capsules for the treatment of irritable bowel syndrome in children. J Pediatr 138:125-128

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