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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.17
「コリアンジンセンの成分ジンセノサイド類はギャップジャンクションを介する細胞間情報伝達機能に作用する」

  発行:2001年12月1日 グリーンフラスコ株式会社
Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所)

 

 ギャップジャンクションは多くの先天性及び後天性疾患の病因に関与していると考えられている。このギャップジャンクションを介する細胞間情報伝達機能(Gap Junction-mediated Intercellular Communication: GJIC)を調節する物質はGJICが関与する疾病の予防や治療を促進する可能性が考えられる。本研究では、コリアンジンセンからサポニン配糖体である27種のジンセノサイドを単離し、アグリコン(非糖部位)の構造によって、オレアノール酸誘導体、プロトパナキシジオール誘導体(PPD)、プロトパナキシトリオ−ル誘導体(PPT)の3つのグループに分類してGJICへの作用に関する検討を行った。材料として典型的なGJICが存在するヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)が用いられ、蛍光測定によるgap-FRAPという方法で解析された。その結果、オレアノール酸、ジンセノサイド-R0など12の成分はGJICに作用しなかったが、その他のジンセノサイド-Rc、ジンセノサイド-Rb3など15の成分は、様々な度合いでGJICの減少を誘起した。更にジンセノサイドにより誘起されたGJICの減少にチロシンキナーゼ(TK)及びプロテインキナーゼC(PKC)の活性が関与しているか否かが阻害剤や活性剤を用いて検討され、ジンセノサイドの種類によって相互に影響し、GJICへの作用が変化することが確認された。これにより、GJICに関するジンセノサイド類の作用にはTKやPKCの活性など多様なメカニズムが関与していることが示唆された。

【解説】
 ギャップジャンクションとは、多くの組織や器官において互いに隣接した細胞間に存在するとされているチャンネル構造です。このギャップジャンクションは、分子量約1500までの比較的小さい物質であるヌクレオチドやアミノ酸、糖類、サイクリックAMPやイノシトール三リン酸などのセカンドメッセンジャー、イオンなどを透過させることができ、これらの物質の往来によって細胞間コミュニケーションに大きな役割を持っているとされています。これは、発生や増殖、分化など様々な生命現象への関与につながり、疾病の原因などにもこれらのメカニズムの関与が考えられています。
コリアンジンセン(Panax ginseng ウコギ科 高麗人参)の根茎は、滋養強壮のための漢方薬として古くから用いられてきたハーブです。中枢神経に作用し、代謝機能の活性化、免疫力強化、消化器系などの機能促進、血行促進、鎮静、鎮痛など様々な効用を持つとされているジンセンの成分が、多様な生命現象への関与が考えられているギャップジャンクションに作用し、TKやPKCの活性との関連が示唆されるという本報告は非常に興味深い内容です。

【参考】詳細は以下の論文をご参考ください。
You-Wei Zhang, et al. (2001) Effects of Ginsenosides from Panax ginseng on Cell-to-Cell Communication Function Mediated by Gap Junctions. Planta Med 67:417-422

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