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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.21
「ベルガモットのエッセンシャルオイルにより光毒性皮膚炎を発症した事例」

  発行:2002年8月1日 グリーンフラスコ株式会社
Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所)

 

 ベルガモット(ミカン科Citrus bergamia)のエッセンシャルオイルは、フロクマリン類のうち、主にベルカプテン(5-メトキシソラレン)を含有しており、光感作作用を有してメラニン形成を誘発し、光毒性に併せて光突然変異誘発性を有することが報告されている。アロマテラピーにより利用が拡大されているにも関わらず、ベルガモットのエッセンシャルオイルによる光毒性の報告はあまりないが、本報告では、ベルガモットのエッセンシャルオイルにさらされたことに続いて紫外線照射された2〜3日後に、局所的または散在的な水疱性の光毒性皮膚炎を発症した2つの例について述べた。1例はこのエッセンシャルオイルを材料とし、2400ppmのベルカプテンを含むトリートメントオイルを皮膚に塗布した後、屋外で数時間、日光を浴びたことによって発症している。もう1例は、このエッセンシャルオイルを水で希釈したものを蒸散しているサウナに入った直後に日焼けサロンで紫外線を浴びることにより、顔、腕、首などに痛みのある紅斑が散在する水疱性皮膚炎を発症し、48〜72時間で次第に範囲が拡大している。日光を避けて、前者はステロイド軟膏を塗布して7日ほどで、後者はステロイド軟膏に併せて鎮痛剤を服用して5日ほどで快方に向かった。アロマテラピーの人気と共にベルガモットのエッセンシャルオイルに触れる機会も増えていくため、光毒性に関する情報や取扱上の注意について公に情報を提供していく必要がある。

【解説】光毒性皮膚炎とは、物質の接触によって誘発される接触性皮膚炎の一種です。柑橘類の果皮を圧搾したエッセンシャルオイルなどのような光感作作用をもつ物質に接触し、その部位に紫外線が照射されることによってかゆみや紅斑などを伴う炎症が起こります。フロクマリン類は構造の上から紫外線を吸収してある時間蓄えた後に皮膚に放出するという特性を有しており、本論文での2例がどちらもエッセンシャルオイルにさらされて紫外線を浴びてから、数日の間隔を経て発症しているのは、光毒性因子がフロクマリン類であることを示しています。本論文では、ベルガモットのエッセンシャルオイルの光毒性による皮膚トラブルの報告はこれまでにあまりないと記していますが、意図せずにエッセンシャルオイルに触れる機会も考えられるため、注意を呼びかけることが必要であると述べています。薄い生地や露出度の多い衣服を着て、屋外で紫外線をたくさん浴びる夏の時期や、山や海や出かける方、日焼けサロンに行く方などは特に留意が必要です。外出時、日光が当たる部分には光毒性を有するエッセンシャルオイルの使用は避けましょう。
※光感作作用を有する代表的なエッセンシャルオイル
ベルガモット・レモン・オレンジ・グレープフルーツ・ライムなどの柑橘系、アンジェリカ、バーベナなど

【参考】詳細は以下の論文をご参考ください。
Kaddu S. et al, (2001) Accidental bullous phototoxic reactions to bergamot aromatherapy oil. J. Am Acad Dermatol. 45: 458-461

光毒性皮膚炎の発症メカニズム

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