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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.22
「老人ケア病棟での痴呆患者の看護に取り入れたアロマテラピーの効果についての検証」

  発行:2002年9月1日 グリーンフラスコ株式会社
Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所)

 

 ラベンダー、スィートマジョラム、パチュリ、ベチバーのブレンド精油3.5mlを100gの水性クリーム基剤に加えて、精油入りクリームを作成した。中等度〜強度の痴呆の症状を持つ老人ケア病棟の患者(70〜92歳)を対象に、クリーム5gを用いて1日5回、胴部と四肢に5分未満の穏やかなマッサージを施した。被験者は2群(A:群17名、B群19名)に分かれ、表のようなプロセスにより施術を受け、痴呆に起因する行動と看護への抵抗行動の発現が毎日チェックされた。
精油を用いたA 群での期間(c)、B群での期間(d)では、それ以前の期間と比較して、両群において痴呆に起因する行動の発生頻度と度合が顕著に低減した。精油を用いた期間には、看護に対する抵抗の行動が多く見られ、また精油でのトリートメント前後に8名を対象に調査したMMSE(Mini Mental State Examination)のスコアは7名で上昇がみられた。

【解説】文では、ラベンダー(シソ科 Lavandula officinalis)、スィートマジョラム(シソ科 Origanum majorana)、パチュリ(シソ科 Pogostemon patchouli)、ベチバー(イネ科 Andropogon muricatus)といった鎮静、精神的疲労の回復、抗うつなどの作用があると報告されている精油を用いたマッサージの老人性痴呆患者への効用を検討しています。痴呆に起因すると考えられる行動や看護に対する抵抗行動については看護士の毎日の申告による頻度と度合いの乗数を指標としており、両群で痴呆による行動の減少と抵抗行動の増加が認められています。
更に指標としているMMSEとは、アメリカで認知機能を簡便に評価する方法として開発された標準尺度で、日本でも痴呆の状態検査によく用いられています。MMSEのスコアの上昇や抵抗行動の発現により、精油入りクリームを用いたマッサージの効果で警戒心や気づきが喚起され、認知機能が増大したことが考えられます。精油とマッサージの組み合わせが、老人性痴呆の症状改善に効果を示すともに、認知機能が改善される可能性が示唆され、精油の使用が痴呆の初期症状を持つ方々の一助となることが期待できるでしょう。

【参考】詳細は以下の論文をご参考ください。
Bowles EJ et.al. (2002) Effects of essential oils and touch on resistance to nursing care procedures and other dementia-related behaviours in a residential care. International Journal of Aromatherapy. 12(1):22-29

 
期間 A群(実験群)
B群(対照群)
(a). 1週間
マッサージなし(ベースライン)
(b). 2週間
基剤クリームでマッサージ
(c). 4週間
精油入りクリームでマッサージ
基剤クリームでマッサージ
(d). 4週間
基剤クリームでマッサージ
精油入りクリームでマッサージ
(e). 2週間
基剤クリームでマッサージ

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