セロトニン、メラトニンなどのインドールアミン類は動物の神経伝達機構において重要な役割を持ち、メラトニンはセロトニンの代謝により産生される。エジプトのいくつかの食用及び薬用植物がこれらの物質を含有するか否かについて分析した。バナナの果肉のセロトニン含有量は未熟バナナが31.4ng/g、完熟バナナが18.5ng/g であった。トウモロコシ、コメ、オオムギといった穀類とショウガはメラトニンを多く含有し、ザクロ、イチゴは少量、ジャガイモは含有しないことを確認した。調査結果を以下の表に示す。
学 名
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和 名
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セロトニン
(micro g/g)
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メラトニン
(ng/100g)
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Allium sativum
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ニンニク
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29.3
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58.7
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Brcssica oleraceae
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カリフラワー
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33.3
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82.4
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Brassica rapa
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カブ
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32.7
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50.1
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Cucumis sativus
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キュウリ
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23.7
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59.2
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Daucus carota
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ニンジン
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31.1
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49.4
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Hordeum vulgare
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オオムギ
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44.9
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87.3
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Musa ensete
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バナナ(未熟)
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31.4
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65.5
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Oryza sativum
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コメ
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77.3
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149.8
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Raphnus sativus
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ラディッシュ
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35.8
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75.8
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Zea maiz
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トウモロコシ
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108.2
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187.8
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Zingiber officinale
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ショウガ
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63.3
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142.3
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【解説】セロトニン(5-HT: 5-hydroxytriptamine)は、動物の脳代謝において重要な役割を担う神経伝達物質のひとつです。覚醒などの意識状態、情動の制御などに関与することが報告されており、うつ病はシナプス間隙でのセロトニンの放出量の減少が原因という説が有力です。ほ乳類では主として松果体でセロトニンの代謝により産生されるメラトニン(N-acetyl-5-methoxytryptamine)は、生体リズムの調節作用や、生体にとっての有害物質である活性酸素を除去する抗酸化作用を有すると考えられています。アミン類は植物成分としても多く存在し、生理活性が大きいことから医薬品として重要な植物成分群であるアルカロイドとして分類されることがあります。植物でのメラトニンの役割はほとんど解明されていませんが、動物と同様、活性酸素を除去して植物を酸化ストレスから保護することが重要な役割のひとつではないかと著者は推察しています。更に研究を進めることによって、私たちがこれらを食することで酸化によるダメージを防ぐ可能性についての検討が期待できます。
【参考】詳細は以下の論文をご参考ください。
Badria FA, Melatonin, Serotonin, and Tryptamine in Some Egyptian Food and Medicinal Plants. J Med Food. 2002 5(3):153-157
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