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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.30
「シャクチリソバ抽出物(Fago-c)は肺、肝臓、大腸、白血球、骨由来のヒト癌細胞の成長を選択的に阻害する」

  発行:2004年2月1日 グリーンフラスコ株式会社
Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所)

 

シャクチリソバは、肺癌を含む様々な肺の不調を改善するために中国で古くから用いられてきた。シャクチリソバのアセトニトリルやエタノール抽出物(米国International Herbal Pharmaceuticals Inc製、以下Fago-cという)の効果について、肺をはじめとする10種の臓器、器官由来のヒト癌細胞の成長への作用をみることで検討した。各由来別癌細胞を24時間培養した後に、15、30、45、60、120ug/ml のFago-cを48時間から96時間投与し、癌細胞の成長についてMTTアッセイ法を用いて観察した。その結果、Fago-cは、肺、肝臓、大腸、白血球、骨由来の癌細胞の成長を大きく阻害、25-40ug/ml の濃度で50%の成長阻害を示した。一方、前立腺、子宮頸、卵巣、脳由来の癌細胞には60ug/ml以上の濃度でも作用せず、MCF-7乳癌細胞では7.5-15ug/ml濃度で成長をやや亢進した。これより、Fago-cの癌細胞の成長阻害作用は、どの臓器、器官由来の癌細胞であるかによって選択的であることが示唆された。また、Fago-cと抗癌剤ダウノマイシンは、H460肺癌細胞の成長阻害に関して相乗的な作用を示した。【解説】 シャクチリソバFagopyrum cymosum (タデ科 赤地利蕎麦)は、インド北部、中国を原産として日本でも各地で栽培されているソバの一種で、全草や根を含む根茎が薬用として用いられてきました。本論文には中国で古くから肺の不調を改善するために用いられてきたことが記されていますが、更に根茎を煎じて服用することによる肝炎や胃痛、喉の痛みなどの緩和や、蕎麦殻を煎じて冷湿布することによる火傷の改善などに用いられてきました。また、毛細血管を強化するルチンを多く含む地上部は、動脈硬化や高血圧の予防にも効果が期待できます。本論文では、漢方が中医学の理論における臓腑の不調を特異的に改善することを目的とした処方であることに注目して、免疫系、神経系、内分泌系の複合体としての作用を理解することが必要であると述べており、これを念頭に、Fago‐cの作用についても、免疫系、神経系、内分泌系に関わる様々な臓器・器官由来の癌細胞を対象として選んで検討しています。また、シャクチリソバは、プロシアニジン、カテキン、エピカテキン、ヘコゲニン、クエルセチン、β-シトステロール、P-クマル酸などを成分として含有することが報告されています。プロシアニジンは癌細胞と密接に関連することが考えられる様々な生物活性を示すポリフェノールの一種であり、本論文にて報告されている腫瘍細胞の成長阻害についても重要な役割を示すことが考えられます。
【参考】詳細は以下の論文をご参考ください。
Chan PK. Inhibition of tumor growth in vitro by the extract of Fagopyrum cymosum(Fago-c). Life Sci. 2003; 72(16):1851-1858.

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