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ホルモン補充療法で用いられるエストラジオールを経皮的に投与する際に必要な経皮吸収促進剤として用いるために、テルペン類やポリエチレングリコールに溶解した液剤の皮膚透過促進効果についての研究が進められている。ヘアレスマウスの皮膚組織を用いて、テルペン類を含有する6種の植物精油が皮膚を通してのエストラジオールの皮膚透過性に及ぼす影響について検討した。
カユプテ、カルダモン、メリッサ、マートル、ニアウリ、オレンジの精油を各々1%エストラジオールを含有するポリエチレングリコールで10%濃度に希釈し、ヘアレスマウスの皮膚組織を隔壁とした二つのエリア(A,B)を作り、Aエリア側から投与した。組織を挟んで反対側のBエリアの液をサンプルとして採取、エストラジオール濃度の経時変化をHPLC(高速液体クロマトグラフィ)にて測定した。この結果、6種の精油のうちニアウリ精油がエストラジオールの皮膚透過性を促進する効果が一番大きいことが確認された。またニアウリ精油の主なテルペン成分である1.8-シネオール、α-ピネン、α-テルピネオール、リモネンを各々単独で用いた場合よりもニアウリ精油を用いた方がより促進効果が大きいことも確認された。
【解説】更年期障害など、女性ホルモンのバランスが崩れることから生じる症状を改善するために、エストラジオールをはじめとするホルモン剤が用いられています。これらは経口投与により副作用がみられることがありますが、経皮的ルートでの投与によりその副作用が解消されることが報告されています。経皮的投与には経皮吸収促進剤を併用することが必要であることから、本研究ではカユプテ(フトモモ科Melaleuca
cajeputi)、カルダモン(ショウガ科Elettaria cardamomum)、メリッサ(シソ科Melissa
officinalis)、マートル(フトモモ科Myrtus communis)、ニアウリ(フトモモ科Melaleuca
viridiflora)、オレンジ(ミカン科Citrus vulgaris)の6種類の精油についての皮膚透過促進効果が検討され、ニアウリの効果が大きいことが確認されました。これにより、ニアウリ精油はエストラジオールをはじめとする脂溶性の物質の経皮吸収促進剤として適することが示唆され、精油の用法のひとつとして注目すべき結果であるといえるでしょう。
【参考】詳細は以下の論文をご参考ください。
Monti D, Chetoni P, Burgalassi S, Najarro M, Saettone MF, Boldrini E.
Effect of different terpene-containing essential oils on permeation of
estradiol throuogh hairless mouse skin. Int J Pharm. 2002;237:209-214.
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