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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.42
ホスピスでのアロマテラピーの実際:吐き気の緩和

  発行:2006年4月27日 グリーンフラスコ株式会社
Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所)

 

ホスピスでは、吐き気を訴える患者が多く、それを緩和することは大きな課題である。吐き気を伴う25名の患者を対象にアロマテラピーを行い、吐き気の緩和への有用性を検討した。精油は、制吐作用や鎮静作用が報告されている精油として、アニス(セリ科 Pimpinella anisum)、フェンネル(セリ科 Foeniculum vulgare)、ローマンカモミール(キク科 Anthemis nobilis)、ペパーミント(シソ科 Mentha piperita)を選択し、それらのブレンドを用いた。患者は4種の精油の各々の香りとブレンドしたときの香りを試した。12名がペパーミントの単独の香りを嫌い、2名がローマンカモミールの単独の香りを重すぎると嫌ったが、ブレンドすることによって精油の香りを受け入れやすくなり、好んで活用できるようになった。アロマテラピーは、腹部の温湿布、エアーフレッシュナー、腹部マッサージ、ディフューザーによる芳香浴の4つの方法で行われた。腹部の温湿布では25名のうち10名が30分以内に症状の緩和を認め、エアーフレッシュナーは最も好まれた方法であった。一方、腹部マッサージは多くの患者に好まれなかった。アロマテラピーを実施した結果、25名のうち17名(68%)が吐き気の症状が緩和したことを認め、症状の重さを示す値が1〜3低減した。残りの8名は化学療法や放射線治療終了直後の患者でアロマテラピーの前後での変化がなかった。これらの結果より、アニス、フェンネル、ローマンカモミール、ペパーミントのブレンド精油によるアロマテラピーは、ホスピスの患者の吐き気の緩和に効果を有することが示唆された。
【解説】アロマテラピーなどの代替療法では、それを受ける患者やクライアントの主観的な症状の認識はとても重要です。この研究では、アロマテラピーによる改善を実感しているか否かの指標として図のようなグラフィックスケールとフェイススケールが用いられました。

主にガンやAIDSなどの末期の患者が入院するホスピスでは、限られた生活をできるだけ快適に過ごすことが最大の目標であり、QOLを向上させることに大きな力を発揮するアロマテラピーの実践は、ホスピスの目標を達成するために非常に有効であることが期待されます。そして、病状を考慮して安全に行うことはとても重要なポイントであり、この点でも穏やかに作用する自然療法は適しているといえるでしょう。
【参考】Gilligan NP. The palliation of nausea in hospice and palliative care patients with essential oils of Pimpinella anisum(aniseed), Foeniculum vulgare(sweet fennel), Anthemis nobilis(Roman chamomile), Mentha piperita(peppermint). The International Journal of Aromatherapy. 2005.15:163-167

   

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