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メディカルハーブリサーチ > No.47
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| 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.47 | |
| レモン精油はセロトニンやドパミンの活性に関与することで抗ストレス作用を現す | |
| 発行:2007年7月2日 グリーンフラスコ株式会社 Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所) |
| ラベンダー、ローズ、レモンの各精油を同量のエタノールで希釈して、精油1mlを染み込ませたコットンを上部に設置した吸入ボックス内にマウスを90分間入れた後、高架式十字迷路試験(elevated
plus-maze task: EPM)強制水泳試験(forced swimming task: FST)、オープンフィールド試験(open field
task: OFT)といった3つの行動試験を課して、これらの精油が抗ストレス作用を有するか否かを検討した。その結果、3種の精油の中でレモン精油がすべての行動試験において、最大の抗ストレス作用を現した。更に、ベンゾジアゼピン、神経伝達物質であるセロトニン、ドパミン、アドレナリンの各受容体の作用物質(アゴニスト)や拮抗物質(アンタゴニスト)を腹腔内に注入することにより前処理をしてから、高架式十字迷路試験、強制水泳試験を行うことにより、レモン精油の作用メカニズムについて調べた。その結果、レモン精油の抗ストレス作用は、ベンゾジアゼピン受容体作用物質であるフルマゼニル、あるいは非選択的ドパミン受容体作用物質であるアポモルフィネでの前処理によって顕著にブロックされたが、セロトニン受容体とα2アドレナリン受容体作用物質や拮抗物質は、レモン精油の抗ストレス作用に影響することはなかった。そして、更にいくつかの向精神薬を用いた実験により、レモン精油の抗うつ作用は、セロトニン作動性経路、特にセロトニン1A受容体を介した経路に深く関与していることが示唆された。また、海馬のドパミン代謝回転、前頭前野や線条体のセロトニン代謝回転を顕著に加速することから、レモン精油がセロトニン作動性ニューロンの増強に関与するドパミン活性を抑制することにより、抗不安、抗うつ様作用を現していることが示唆された。 【解説】この研究では、精油の向精神作用について、マウスを用いた行動実験によって把握し、その後、行動実験で効果がみられたレモン(ミカン科 Citrus limon)の精油に関して、いくつかの神経伝達物質の作用機序に関与する物質を用いて効果発現のメカニズムについて検討しています。高架式十字迷路試験では、高い位置に十字の形をしたマウスが歩けるほどのプラットフォームを用意し、壁のないオープンアームと壁のあるクローズドアームを設けます。不安が少ないと壁のないエリア何回も行って歩き回るであろうということでオープンアームに入った回数と時間の長さで不安の度合いを推量します。強制水泳試験では、強制的にプールに入れられたマウスが、積極的に泳ぐか否かを抑うつ状態の指標としており、泳がずじっとしている時間の短さ(泳いでいる時間の長さ)によって抑うつの度合いを推量します。オープンフィールド試験は活動量をみるものであり、向精神薬の作用について検討するときにもよく使われる方法です。レモン精油の抗ストレス作用発現メカニズムについての検討は、ジアゼパムやフルマゼニルなどのベンゾジアゼピンに関与する物質で前処理することによるGABA受容体への関与、バスピロンやWAY100,635 などで前処理することによるセロトニン受容体への関与、アポモルフィネやハロペリドールなどで前処理することによるドパミン受容体への関与をそれぞれ調べ、メカニズムの詳細な解明につなげるよう進めています。このように行動とメカニズムの双方を検討することにより、精油の効果発現の総合的な把握が可能であると思います。今回、抗ストレス作用が大きいことが示唆されたレモン精油については、吸入により海馬でのアセチルコリン遊離が誘発されることがラットを用いて確認されたという報告もあります。 【参考】 Komiya M. Takeuchi T, Harada E. Lemon oil vapor causes an anti-stress effect via modulating the 5-HT and DA activities in mice. Behav Brain Res. 2006;172(2):240-249. |
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