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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.52
ラベンダー及びローズマリー精油の芳香浴は酸化ストレスからの防御効果を有する

  発行:2008年7月4日 グリーンフラスコ株式会社
Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所)

  ラベンダーとローズマリーの精油の香りを嗅ぐことにより、抗酸化作用が得られるか否かについて、唾液中のフリーラジカル除去能(free radical scavenging activity: FRSA)を指標として検討することを試みた。22名の健常な被験者(男性15名、女性7名、平均年齢22.7歳)を対象に、各精油において、無臭の有機溶媒であるプロピレングリコールのみを嗅ぐこと(A)、プロピレングリコールにより1000倍に希釈した精油を嗅ぐこと(B)、10倍に希釈した精油を嗅ぐこと(C)を、この順序で5分間行い、各々の施行直後に唾液を採取し試料とした。各精油の各濃度の香りの官能評価を行い、唾液試料を用いて、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)濃度を指標としたFRSA値、コルチゾール値などを測定した。その結果、ラベンダー及びローズマリーの香りの官能評価で「心地良い香り」とした被験者は、低濃度においては各々74%、73%で、ほとんど差異はなかったが、高濃度においては、各々17%、42%と差異があった。FRSA値は、低濃度のラベンダー及び高濃度のローズマリーによって亢進し、コルチゾール値はどちらの精油でも濃度依存的に低下した。更にはローズマリーではFRSA値とコルチゾール値においては顕著な逆相関性が確認された。ラベンダー及びローズマリーの香りを嗅ぐことにより、抗酸化作用を表すFRSA値が亢進され、ストレスホルモンであるコルチゾール値を低下することが確認され、これらは酸化ストレスから身体を護るために誘起されることが示唆された。

【解説】本研究で対象とされているラベンダー(シソ科 Lavandula officinalis)とローズマリー(シソ科 Rosmarinus officinalis)はアロマテラピーで用いられる精油として広く好まれています。また、フリーラジカル(活性酸素)については、炎症、老化、発ガンなどのさまざまな生体現象との関連が報告されています。本研究では、これらの精油を嗅ぐことによるフリーラジカルの除去、ストレスレベルの低下が確認され、アロマテラピーの基本的な活用法である芳香浴により、抗酸化作用が得られることが示唆されました。また、ラベンダー精油において、「心地良い香り」と感じる被験者が少ない高濃度と比較して、「心地良い香り」と感じる被験者が多い低濃度で、フリーラジカル除去能が亢進したことも、「高濃度である=効果が大きい」というわけではないことを示唆する注目すべき結果です。

【参考】Atsumi T, Tonosaki K. Smelling lavender and rosemary increases free radical scavenging activity and decreases cortisol level in saliva. Psychiatry Res. 2007;150:89-96.
   

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