|
ホーム
> グリーンフラスコ研究所 >
メディカルハーブリサーチ > No.53
|

| 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.53 | |
| ハイビスカスはシグナル伝達系PI3-K及びMAPK経路に作用して脂肪の生成を阻害する | |
| 発行:2008年7月5日 グリーンフラスコ株式会社 Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所) |
| ハイビスカスについては、前駆脂肪細胞培養株3T3-L1(以下3T3-L1細胞という)の脂肪細胞分化を濃度依存的に阻害することが既に報告されている。本研究ではハイビスカスが脂肪合成転写因子であるC/EBPαや
PPARγ、細胞でのシグナル伝達において役割をもつPI3キナーゼ(ホスファチジルイノシトール3キナーゼ、以下PI3-Kという)経路とMAPキナーゼ(分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ、以下MAPKという)経路にどのように作用して脂肪細胞分化を阻害するのか、そのメカニズムについて検討している。3T3-L1細胞の脂肪細胞分化は、イソブチルメチルキサンチン、デキサメタソン、インシュリンの混合物(MDI)によって誘発した。ハイビスカス乾燥花部150gを95℃の湯6Lに浸して得た抽出物を減圧して、フリーズドライ化してパウダーにし、それを緩衝液に溶解したものを3T3-L1細胞に2日おきに付与、培養8日目に脂肪生成マーカーの発現及び細胞質脂肪滴の蓄積を観察して脂肪細胞分化の様子を解析した。その結果、ハイビスカスは、MDIにより誘起される細胞質脂肪滴の蓄積を濃度依存的に顕著に阻害し、C/EBPαや
PPARγといった脂肪合成転写因子のmRNAの発現を顕著に減衰することが確認された。また、脂肪細胞分化に関与するシグナル伝達系のうちPI3-K/Akt系(PI3-K経路の一つ)や脂肪生成の初期段階を調節することが知られているMEK-1/ERK系(MAPK経路の一つ)の活性及びそれらによるタンパク質リン酸化は、ハイビスカスによって明らかに阻害された。これらの結果から、ハイビスカスは、脂肪細胞分化を遺伝子発現レベルで阻害すると共に、脂肪生成に関するシグナル伝達の中心的役割を担うPI3-K/Akt
及びERK系を調節することにより、脂肪細胞への分化を阻害することが示唆された。 【解説】】 ハイビスカスHibiscus sabdariffa (アオイ科)は、クエン酸やハイビスカス酸などの有機酸やビタミンCなどを豊富に含む爽やかな酸味を持つ天然のスポーツドリンクとして、肉体疲労時の栄養補給に用いられる人気のハーブであり、伝承的な植物療法としては、高血圧、発熱、炎症、肝臓の不調、肥満などに対して用いられてきました。ハイビスカスに関する研究では、ハイビスカス酸により、消化酵素であるブタ膵臓アミラーゼの活性が阻害されることや、ラットの総脂質・コレステロール・トリグリセリドを低減することなどが報告されており、肥満への対処としての効果が検討されています。本研究では、ハイビスカスが、遺伝子レベルでの関与に加えて、タンパク質リン酸化酵素(キナーゼ)活性による細胞でのシグナル伝達にも関与して、脂肪生成を阻害することが示唆され、ダイエットハーブとしてのハイビスカスへの期待が更に大きくなりました。 【参考】Kim JK et al. Hibiscus sabdariffa L. water extract inhibits the adipocyte differentiation through the PI3-K and MAPK pathway. J Ethnopharmacol. 2007; 114(2):260-267. |
|
![]()
|
グリーンフラスコ研究所へのご意見・お問い合わせは lab@greenflask.com までお願いします。
|
|
Copyright 2008 GREEN FLASK Co., Ltd. All rights reserved. |