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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.56
木曽ヒノキの精油はヒト子宮頸癌由来の癌細胞にアポトーシスを誘導する

  発行:2009年1月26日 グリーンフラスコ株式会社
Text by Shio Murakami (グリーンフラスコ研究所)

  木曽ヒノキの精油(以下、ヒノキ油)は多くのテルペン類、フェノール類の成分を有し、優れた抗菌作用を有することが報告されている。本研究では、ヒノキ油とその含有成分のひとつヨシキソールについて、ヒト子宮頸癌由来の培養細胞であるHela細胞に対する作用について検討している。培養したHela細胞に対して、ヒノキ油(4μL/mL)と、ヨシキソール(1,2,4μL/mL)を投与し、細胞の生存率の推移を観察した。ヒノキ油では、投与して2時間後には生存率は50%となり、6時間後にはすべての細胞が死滅した。ヨシキソールでは濃度依存的に生存率は低くなり、4μL/mL濃度で、10時間後に生存率が0%となった。ヒノキ油は、Hela細胞に対して、細胞を凝縮、顆粒化させ、細胞死を誘導した。ヨシキソールも同様に、細胞を凝縮、顆粒化させ、アポトーシスボディーというアポトーシスが誘発される際にみられる物質を発現し、DNAのフラグメンテーション(断片化)を誘導した。これらの結果より、ヒノキ油及びヨシキソールは、ヒト子宮頸癌来の癌細胞であるHela細胞に対してアポトーシスを誘導することが示唆された。

【解説】木曽ヒノキ(ヒノキ科Chamaecyparis obtusa)は、古くから日本人が親しんでいる樹木です。その木材は硬く緻密であり、抗菌性、耐久性に優れ、高級建材や家具などとして活用されてきました。カビやMRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)を含む菌類に対する抗微生物作用が報告され、これまでの活用法を裏付けるものとなっています。また、成分のひとつα-カジノールは虫歯の原因の一つと考えられているストレプトコッカスの生育を阻害することが知られています。本研究でテーマとなっているアポトーシスとは、細胞がある情報を受けて、自ら能動的に死んでいく「プログラムされた細胞死」のことをいい、Apo(離れる、別れる)とptosis(下に落ちる)とが結合された言葉で、「木の葉や花びらが散る」ことを意味するギリシャ語が語源となっています。アポトーシスでは、細胞の凝縮や、DNAのフラグメンテーション(断片化)などの特徴的な現象が見られます。本研究では、ヒノキ油を投与することにより、ヒト子宮頸癌由来の癌細胞にアポトーシスを誘導することが示唆され、ヒノキ油が抗癌作用を有する可能性が示唆されています。

【参考】Koyama S, Tanaka S, Yamaguchi Y, Motoyoshya J. Apoptosis-like (possible quantum thermodynamic) cell death induced by Yoshixol and wood oil of Chamaecyparis obtusa (Kiso-Hinoki) on HeLa cell. Gen Pharmacol. 1997;28(5):805-811.
   

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