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 【海外の最新研究を紹介】 メディカルハーブリサーチ No.57
バレリアンとホップの混合エキスは一回のみの服用でも睡眠障害の改善効果が得られる

  発行:2009年4月30日 グリーンフラスコ株式会社 グリーンフラスコ研究所
Text by Shio Murakami

  バレリアンとホップの混合エキスの連続服用は、 現在、不眠の改善のためのセルフケアとして広く行われている。本研究では、このバレリアンとホップのエキスを一回のみ服用することにより、睡眠の質の改善の効果が得られるのか否かを検討した。睡眠についての問診であるSchlaffragebogen(SF-B)により、睡眠障害があるとされた42名を被験者とし、そのうち20名をエキスを服用するグループ(バレリアン‐ホップ群)、22名を服用しないグループ(プラセボ群)とし、二重盲検ランダム化比較試験を行った。各被験者は、連続した二晩(参照のために何もしない一晩とエキスを服用する一晩)を研究室で過ごした。エキスもしくは、似たような匂いのするプラセボ2mlを50mlの蜂蜜フレーバーの水に溶かして、睡眠の質をみるためのEEG(electroencephalogram, 脳波図)記録開始15分前に服用した。そして、睡眠深度を解析することによって睡眠の質の指標を得た。参照のための一晩とエキスを服用した一晩では睡眠の質に顕著な差が現れ、睡眠時間を表す睡眠頻度指数(Sleep Frequency Index; SFx)は、バレリアン‐ホップ群において、プラセボ群と比較して顕著に高かった。また、より深い睡眠の時間を示す指数を比較したところ、バレリアン‐ホップ群で顕著に高いことが確認された。この指標は、被験者によって申告されるSleep Inventory SF-A sub-scoreによって算出される、連続した二晩の睡眠の質の差を示す数値と相関関係があり、解析結果と被験者の自覚している状態が適合していることがわかった。更にはEEGによって解析される睡眠量についてもバレリアンホップ群で有意な改善がみられた。これらの結果より、バレリアンとホップの混合エキスは、一回のみの服用でも睡眠障害を改善することが示唆された。

【解説】 寝つきが悪い、頻繁に目が覚める、熟睡できない、昼間眠くてしょうがない・・そういった睡眠障害を訴える人々は年々増加傾向にあり、今では日本人の五人に一人は不眠症といわれています。バレリアン(西洋カノコソウ Valeriana offcinalis オミナエシ科)とホップ(西洋カラハナソウHumulus lupulus クワ科)は、それらの持つ鎮静作用により、古くから不眠や不安などに用いられてきました。バレリアンは根が用いられ、ドイツなどでは医療用ハーブとして薬局方において認められています。一方、ホップは芳香のある球花や果実が主に用いられており、安眠枕として使われるホップを中に詰めたホップピローはよく知られています。この二種のハーブのブレンドを連続服用することによって不眠が改善され、なおかつ目覚めが良いことはこれまでにも報告されていますが、本研究では一回のみの服用でも効果が得られることが示唆されました。バレリアンについては、シナプスでのGABAa受容体やその他のシナプス前膜の物質への作用を示唆した報告などもあり、作用メカニズムについても研究が進んでいます。

【参考】Dimpfel W, Suter A. Sleep improving effects of a single dose administration of a valerian/hops fluid extract - a double blind, randomized, placebo-controlled sleep-EEG study in a parallel design using electrohypnograms. Eur J Med Res. 2008;13:200-204.
   

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