リサーチレビュー


過敏性腸症候群(IBS: Irritable Bowel Syndrome)は大腸を中心とした消化管運動機能に障害をきたす疾患で、下痢、便秘、ガス過多などの症状が発症します。ストレスや不規則な食事などの因子が関与していると考えられており、症状を改善するためにはQOLの改善が大きなポイントとなっています。今回とりあげる論文は、ウコン(Curcuma longa)の標準化エキスのサプリメントを服用することによってIBSの症状が改善するかどうかを評価したものです。また、この研究デザインは、テーマを設定して、公からボランティアを募って試験を行い、調査票によって結果を回収して解析するといった典型的な疫学研究の一例です。


●207名をランダムに2つのグループに分けて比較
 
この研究は英国リーディング大学の研究チームが行った。新聞、雑誌での3か月以上の告知によりボランティアを募り、それに対して「自分には過敏性腸症候群の症状がある」と申告した500名のボランティアが応募した。その中からローマ基準II(Rome II)を用いた診断(調査票)により被験者として適する207名がスクリーニングされた。被験者は、性別、年齢、そして過敏性腸症候群のタイプの偏りが最小限になるようにランダムに2つのグループに分けられた。


●服用量のちがいでの効果を検証:1錠OR 2錠? 評価の指標は3つ

ウコンの標準化エキス(英国Lichwer Phama社製)のサプリメントを、グループ1は72mg(1錠)、グループ2は144mg(2錠)を毎日、8週間服用した。被験者はグループが2つあることは知っているが、自分がどのようなグループに属しているのかは知らず、被験者と試験者のやりとりはすべて郵便により行われた。サプリメントは、1錠または2錠を朝食時に服用する旨記した説明書と2種類の調査票(下記の1と2)を添付して被験者に郵送され、試験期間の最後に更に調査票(3)が郵送され、それらは郵送にて試験者宛に返信された。調査票は以下のとおりで各々記したタイミングで回答された。

・・・続く



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