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リコリスLicorice

 マメ科のリコリス(甘草)はその名の示す通り砂糖の50倍の甘さをもち、古くから伝統医学で用いられてきました。ギリシアの自然科学者のテオフラトスはリコリスの根を喘息や乾いた咳、それに肺の病いに用いたことを記録しています。中国ではのどの痛みや喘息、胃や十二指腸の潰瘍に用い、また漢方の処方では生薬全体の調和の目的で繁用されています。科学的な研究によればリコリスは消炎作用や去痰作用、それに粘膜の刺激を緩和する働きが報告され、さらに近年では抗ウイルス作用や免疫賦活作用が確認されています。リコリスの作用の中心はトリテルペン系サポニンのグリチルリチンと考えられていますが、他の成分が協働して生物学的な活性を高めているようです。ドイツではリコリスは胃、十二指腸などの消化性潰瘍と上気道カタルやうっ血に用いられています。なおグリチルリチンは副腎皮質より分泌される鉱質コルチコイドであるアルドステロン様の作用があり、過量投与で偽アルドステロン症が生じる可能性があるため、脱グリチルリチンリコリス(DGL)が製剤化されています。

リコリス

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