シダーウッド（バージニア）| ハーブとアロマ、バッチのことならグリーンフラスコ

　北米原産で、バージニア州からアーカンサス州にかけてよく生育しているバージニアシダーウッドは、イースタンレッドシダーとも呼ばれるヒノキ科の高木です。わが国でエンピツビャクシンと呼ばれるように、とても削りやすい材質のため鉛筆の材料にもなっています。木部を蒸留して得た精油はウッディーな香りをもち、セドロールやセドレンを含みます。一方、モロッコ原産でモロッコのアトラス山脈に自生するアトラスシダーウッドはマツ科に属し、成分にセドロールは含みませんが、両者とも静脈やリンパの強壮や呼吸器系のトラブルに用いられます。また、シダーという言葉が霊的なパワーを意味するセム語からきているように、宗教儀式や瞑想にもよく用いられます。なお、セスキテルペンアルコールのセドロールについては、ヒトの心拍数や血圧を低下させ、入眠を容易にすることが報告されています。聖書の時代から知られるあの有名なレバノンシダーはアトラスシダーウッドの近縁種ですが、近年では残念ながらその姿を見ることはほとんどできなくなってしまいました。